ニキビ痕ができてしまったら【塗り薬】

できてしまったニキビ痕は非常に治しづらいです。

皮膚科でもよく相談されますが、すぐに期待した通りにならずに諦める患者さんもいらっしゃいます。

美容皮膚科での治療でもなかなか改善しにくい面もありますが、保険適応で対応できる方法や、一般的に購入できる物での対応方法について紹介したいと思います。

よもぎ

ニキビ痕に悩む方でも、美容整形には行きづらいという方が大半です。

※本ページはプロモーションが含まれています。

ニキビ痕の種類

炎症後紅斑 (post-inflammatory erythema:PIE)

炎症のあったニキビの改善後に認めます。

血流増加がまだ残っており、毛細血管の拡張を認めます。

炎症後色素沈着 (post-inflammatory hyperpigmentation:PIH)

炎症のあったニキビが改善後に残す褐色の色素斑です。

炎症性のサイトカインによって、色素細胞のメラニン産生の増強で生じるとされています。

萎縮性瘢痕

炎症により生じる組織欠損と、産生された瘢痕組織が萎縮することで生じる、くぼんだ状態の瘢痕です。

直径が0.5-2mmのものをmini-scar、直径2mm以下の細くて深いV字状のものをicepick型、幅が4-5mmの受け皿型をrolling型、陥凹の底面と壁が垂直に近いものをboxcar型と分類されています。

肥厚性瘢痕とケロイド

炎症のあったニキビの治癒後にできる隆起性の瘢痕です。

ステロイドの局注、外用やトラニラスト内服が効果的とされています。

ニキビ痕ができるのを回避したい

急性炎症期の治療では

炎症性ニキビの8.2%が12週以内にicepick scarになるという報告もあり、早めの適切な治療が瘢痕回避に重要です。

尋常性痤瘡治療ガイドライン2017では急性炎症期の外用剤として、デュアック配合ゲル (クリンダマイシン+BPO配合剤)、エピデュオゲル (アダパレン+BPO配合剤) を推奨しています。

維持期の治療では

エピデュオゲルが萎縮性瘢痕形成を減らせるかどうかの報告があります。

この報告では、6ヶ月間エピデュオゲルを使い続けることで、痤瘡瘢痕の形成を有意に減らしたとされています。

つまり、赤く腫れたニキビが改善したら、改善した状態を維持しつつ、瘢痕形成を回避するためにエピデュオゲルを使うというのも良いかもしれません。

エピデュオゲルは効果が高いのですが、強い刺激症状や、かぶれることがあり、全例に使うことはできません。

ベピオ (BPO) や、ディフェリン (アダパレン) 単剤を使い続けることでも、個人的にはある程度の瘢痕形成を抑えるのではないかと思っています。

ベピオ (BPO) やディフェリン (アダパレン) が使えない方は

ベピオ、ディフェリンはニキビ治療の主要な外用剤ではありますが、やはり使えない方もいらっしゃいます。

保湿剤を先に塗る、刺激感がでたらすぐに洗い流すなどの工夫で使えるようなることがありますが、それでもだめという方にはグリコール酸、サリチル酸マクロゴール、乳酸などのα-hydroxy acids (AHA) をお勧めしています。

尋常性痤瘡治療ガイドライン2017では、炎症性皮疹、面皰について「標準的治療が無効あるいは実施できない場合にグリコール酸によるケミカルピーリングを選択肢の1つとして推奨する。ただし、保険適用外であることを配慮する必要がある」とあります。

また、ガイドラインには、ニキビ痕の瘢痕にケミカルピーリングは行ってもよいが、推奨はしないとの記載があります。

推奨はしない理由としては、まだエビデンスが少ないことが挙げられるのですが、実際には効果のある方もいらっしゃいます。

エビデンスが蓄積されていけば、この推奨グレードが変更される可能性があります。

ラロッシュポゼ エファクラ ピールケアセラム 30ml

日本人に推奨されるグリコール酸濃度は20-35%とされています。

ただ、グリコール酸の製剤は多く存在しており、どれを勧めてよいものか正直悩ましいです。

このラロッシュポゼ エファクラ ピールケアセラムはグリコール酸は含まないものの、サリチル酸と乳酸が含まれており、ピーリングの作用を期待できます。

実際に私も使っていますが、刺激感はなく使いやすいと思います。

ぜひご検討ください。

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