【皮膚科医が考える】ドラッグストアで買える虫刺され用品

ハチに刺された!

ムカデに咬まれた!!

朝起きたらなんかかゆい!!!

ということはありませんか。

わたくしよもぎは、学生時代にドラッグストアで働いていた皮膚科医です。

本記事では、ドラッグストアで対応できる用品について解説したいと思います。

ただし、本当にその皮疹が虫刺されなのかわからない、次第に悪化しているということがあれば病院受診をお勧めします。

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目次

ハチ刺傷

ハチに刺された時に一番心配なのが、アナフィラキシーショック

“1回目はいいけど、2回刺されると危険”、なんて聞いたことありませんか。

2回目は免疫機能が強く反応してしまうからですね。

ただ、多くの場合は2回以上刺されてもアナフィラキシーショックにならずに、赤く腫れるだけです。

そんな時にドラッグストアでも買えるのが、strongクラスのリンデロンVsベトネベートフルコートです。

ステロイドの外用剤には強さにランク分けがあり、strongestvery strongstrongmediumweakに分類されます。

この中でもstrongクラスより弱い外用剤は、ドラッグストアでも購入することができます。

リンデロンVsに関しては処方箋がないと手に入らなかったのですが、2021年2月からドラッグストアで販売開始となりました。

皮膚科医からすると、strongクラスのステロイドはでまあまあ使えるという感じです。

ドラッグストアで手に入ることを考えれば、及第点というところでしょうか。

よく目にするムヒアルファExの有効成分は、プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル (PVA) です。

ステロイドの強さはmediumクラスであり、虫刺されであれば多少は効果があるかなという印象です。

そのためハチに刺された時は、できるだけ強いステロイド外用剤をお勧めします。

ただし!

1日経ってからでもアナフィラキシーショックの状態がでる時がありますので、何かおかしいと思ったらすぐに病院へお越しください。

ムカデ咬傷

実家はとても田舎で、家の中にムカデがよく出てきました。

寝ていたらムカデに咬まれた! 

なんてこともよく経験しました。

その時は親にオロナインを塗ってもらい、とても痛かったのですが我慢して過ごしていたという記憶があります。

今では言えます、強めのステロイド外用剤を使え、と。

ドラッグストアでは、先ほど挙げたstrongクラスのリンデロンVsベトネベートフルコートです。

また、ムカデの毒は熱に弱いと言われており、熱めのお湯 (43〜46℃程度) で患部を温めると良いとされています。

もちろんムカデの毒であってもアナフィラキシーショックを起こすことがあります。

体が赤くなってきた、お腹が痛くなってきた、ふらふらするという症状はアナフィラキシーショックの症状ですので、緊急に医療機関に受診する必要があります。

虫除けについて

そもそも虫に刺されなければいい!

それはもう間違いありません。

ということで、虫除けについてもご紹介します。

早速ですが、本格的な山登りやキャンプなど行かれる大人の方は、

ディート30%配合のサラテクトミスト リッチリッチ30をおすすめします。

12歳未満の方ではイカリジン15%配合の、

スキンベープをおすすめします。


以下、解説を行います。

現在、虫除けとして使っている成分として、ディートイカリジンがあります。

ディートは日本で初めて承認された虫除け剤であり、50年以上多くの製品に使われています。

蚊やマダニだけでなく、ヤマビル、トコジラミ、アブ、ブヨ(ブユ)など多くの害虫に対して効果があります。

またツツガムシに対しても効果があるのが特徴です。

しかし、ディートには年齢制限があります。

12歳未満の方はディート30%配合の虫除けは使えません。

ディート12%以下であれば12歳未満の方にも使用できますが、効果持続時間が3時間以下と短くなります。

6ヶ月未満のお子様では、ディート配合の虫除けは使用禁止となっています。

また、プラスチック製品を溶かすことがあるので、ポリエステルやポリウレタンなどの合成繊維の服を傷める可能性があります。

一方、イカリジンは12歳未満の方にも使っていい成分になります。

ディートと異なり、服についても繊維を傷めることがありません。

最近はおしゃれな登山服やキャンプ用品が多いので、傷めたくない方はイカリジン配合を選ぶとよいでしょう。

蚊、マダニ、アブ、ブヨ(ブユ)に効果があるとされており、ディートよりも効果の範囲はやや劣ります。

最後に

ドラッグストアでできることはセルフメディケーションであり、専門家の判断ではありません。

以上、虫刺されの記載した部分はあくまで応急処置です。

症状の悪化、治療が長引く可能性がありますので、できれば早めに医療機関を受診し、専門家に診てもらうことをお勧めします。


参考

・厚生労働省(2016). 防除用医薬品及び防除用医薬部外品の製造販売承認申請に係る手続きについて

・アース製薬ホームページ

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